7-4 法華経『文底 – 中編』(概念と真理)
御本尊 〝御本尊〟の原理を説明された御書に『草木成仏口決』という御書があります。大聖人様が51歳の御時、佐渡の塚原において、最蓮房に与えられた御書です。最蓮房は大聖人様と同じように佐渡に流罪となっていた学識のある天台…
御本尊 〝御本尊〟の原理を説明された御書に『草木成仏口決』という御書があります。大聖人様が51歳の御時、佐渡の塚原において、最蓮房に与えられた御書です。最蓮房は大聖人様と同じように佐渡に流罪となっていた学識のある天台…
天台智顗は妙法蓮華経の経題を法華経如来神力品第21の結要付嘱の文を依文として五重玄義を立てました。『十八円満抄』の中で大聖人様がこの五重玄の内容を解説しておりますので紹介します。 御抄では、「別説の五重玄」として蓮に…
仮・空・中は、仏法の世界観である三界の世界観を意味します。まず仮とは三界の中の衆生の住む世界である欲界です。唯識でゆうところの五蘊で生じる実体(実在)の世界です。この実在の世界における仏が生身の肉体をもって存在した応身…
「依義不依語」の教えにそって、言葉に依らずその内容で見ていく時、真実がまた一つ顕れてきます。今まで仏教学の世界ではどのような経緯で大乗仏教が起こっていったのかはっきりとした解明がなされておりませんでした。 それは学術…
お釈迦様が涅槃に入る一日一夜に説かれた『涅槃経』は、後世の人々が正しく仏教を習得していく為に遺言的な教えが説かれた経典です。 その涅槃経の四依品で示されている法四依は、 依義不依語(義に依りて語に依らざれ) 依智不…
昨今、大乗仏教は後世の人達が造ったもので「大乗は仏説に非(あら)ず」といった〝大乗非仏説〟を主張する人達がおられます。 そもそも仏教学においては、「お釈迦様が直接説かれた経典は一つもない」というのが定説です。インドの…
お釈迦様が阿含経の中で無我や十二因縁をもって説かれた縁起は、「此が有れば彼が有り、此が無ければ彼が無い。此が生ずれば彼が生じ、此が滅すれば彼が滅す。」(パーリ仏典経蔵小部)といった「モノの有る無し」で見る実体思想に基づ…
お釈迦様がこの縁起という見方を声聞の弟子達にさとす為に説いた教えが阿含経です。阿含経典の中でお釈迦様は、無我や五蘊、縁起、十二縁起といった教えで縁起という仏法独自のモノの見方を諭します(中道)。 お釈迦様が直接説かれ…
阿含経の中で説かれている〝無我〟や〝縁起〟は「非有非無」の中道を支える法理ですがここでは十二因縁からなる因果律(実体思想)で縁起が説かれている為、実体思想(モノの有る無し)で中道を理解することになります。 〝中道〟を正…
竜樹が阿含経よりも更に難解な般若心経を解明して〝中論〟を顕したことで、お釈迦様が説いた「縁起と無我」は、「空と無自性」という更に一段深まった真理へと進みます。 小乗では縁起を「我=無」とした訳ですが、竜樹が大乗として…