4-3 阿含経

 お釈迦様の説法はその殆どがお釈迦様の死後、迦葉や阿難を始めとする弟子たちが中心となって数回にわたる結集を経て教説としてまとめられ経蔵として形成されました。その中でも最も古い原始仏教とされる阿含経から弟子達は学んでいきます。

 仏道に入って最初に得られる境涯の事を〝声聞〟といいます。阿含経は実体への執着が強かった当時のお釈迦様のお弟子さん達が理解しやすいように実体思想で説かれています。そういった理由から阿含経は声聞経ともよばれたりもします。

 この中で、十二因縁を基として縁起が説かれているのですが、「科学や物理の実験」や「医学の臨床実験」といった部類はどれも客観性に基づいて行われる検証で「誰にでも起こりうる現象」です。例えば「手に握ったリンゴを離せば地面に落下する」ことで引力という法則が定義ずけらたように、「実験によって得られる結果から導き出される定義」は、因果関係で成り立っています。(実体思想)

 十二因縁はそのような因果律を示したもので声聞の弟子達はそれをもって縁起を理解し小乗仏教を展開していきます。


次へ >>